計画研究
A03 分子細胞生理学班
【課題名】
マルチセルラネットワーク上の自発的局所学習則
【達成目標】
無入力時(自発活動)ならびに感覚運動学習時のマウス大脳皮質視覚野において、マルチセルラネットワークを構成する個々の神経細胞への入出力をシナプス単位で可視化し、感覚情報処理に伴う神経細胞間の局所相互作用の実態を明らかにする。
【具体的計画】
シナプス入出力のin vivo解析
一次視覚野への遺伝子導入により神経細胞に蛍光カルシウムプローブを導入する。それを高次視覚野で2光子励起顕微鏡を用いて観察することにより、1次視覚野からの高次視覚野へのシナプス入力を可視化する。
可視化したシナプスについて、シナプス前部カルシウム動態やシナプス後部スパイン形態変化をA01班と連携して解析し、感覚情報処理に伴うヘブ型可塑性・シナプス恒常性・シナプス新生などの神経細胞間の局所相互作用の実態を明らかにする(マルチセルラDNNモデル)。
更にA04班と連携して得られた実験結果をモデル化し、誤差逆伝搬法を置き換える計算コストの低い新たな学習則を提案する。並行して、上記のイメージング・遺伝子操作技術をA02班の培養神経回路モデルに適用し、生体内と分散培養系との間の多シナプス動態の類似/相違点を構成論的に明らかにする(マルチセルラ再構成)。
