
文部科学省 科学研究費助成事業 「学術変革領域研究(A)」 2024〜2029年度
2025年9月11日に同志社大学 脳科学研究科(A03正水班)で開催されたバイオ超越 共通プラットフォーム 第2回モデル動物実験講習会は、最先端のモデル動物実験における共通技術の理解と実用に焦点を当て、領域研究者14名が参加しました。前半の根東覚先生(A01班)による「多光子励起蛍光イメージングに関する包括的な講演」と後半の尾崎による「2光子イメージングデータの取得と解析の実習」の2部構成の形式で行われました。

根東覚先生の講演では、物理学者Maria Göppert-Mayer博士が提唱した二光子吸収理論からWinfried Denk博士による世界初の2光子顕微鏡開発に至るまで、理論の発展と応用の歴史を、豊富な数式や物理的考察を交えて丁寧に解説されました。また、超短パルスレーザーの生成メカニズムや、その物理的特性が多光子励起蛍光イメージングの実現にどのように寄与したかについても、具体的な例や実験的知見を交えながら詳細に説明されました。この講演内容は、既に2光子顕微鏡を日常的に使用している研究者のみならず、これから取り組もうとする参加者にとっても大変有意義であり、基礎理論から実際の応用までを包括的に学ぶ機会となりました。講演後半は実験室へと場所を移し、カルシウムセンサー(GCaMP)を導入した動物モデルを用いて、in vivoでの2光子顕微鏡による神経活動シグナルの計測デモンストレーションが行われました。参加者は、撮影された蛍光シグナルがどのように観察・記録されるのかを間近で見学し、技術の最先端を実感しました。
続いて、尾崎が解析ソフトsuite2pの使い方について、今年行われたバージョンアップの情報も含め、ハンズオン形式で説明を行いました。参加者は各自ノートパソコンを用いてtiffファイルを実際に解析し、suite2pの位置補正、ROI抽出、ノイズ除去といった高度な機能を体験しました。特に位置補正とROI抽出の精度の高さには驚きの声が上がり、今後の研究に役立てたいとの意見が多数寄せられました。
講習会終了後は、京都・伏見の酒処にて情報交換会(懇親会)が行われ、研究の枠を超えた交流が生まれました。お互いの研究内容や将来的な共同研究の可能性について熱心に語り合う姿が見られ、参加者同士の親睦とネットワークの構築につながる有意義な時間となりました。(文責・A03-1 尾崎弘展(正水班))


私は普段の実験で2光子顕微鏡を使用しているため、今回の講習会に参加させて頂きました。根東先生のご講演では、多光子励起の基本的な仕組みやレーザーについての理解を深めることができました。とりわけ基礎理論は高精度な画像取得に不可欠な要素であると実感し、今後の研究でも一層意識していきたいと思います。また講義後の尾崎先生のデモンストレーションでは、普段触れることのないイメージングシステムの見学や解析方法の体験ができ、視野を広げることができました。特に解析ソフトsuite2pの高性能な機能には驚き、自分の研究にも積極的に取り入れてみたいと感じました。今回の講習会での学びは、自分の技術的基盤を一層強化する有意義な時間になりました。今回得た知識と経験を活かし、自分の研究に取り組んでいきたいと思います。(文責・A03-3 井上心(相馬班))

